光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大年

大年の繋船ホテル揺れやまず大年の襁褓きつぱり干されけり

冬銀河

冬銀河時空の瓶の底にあり

ゆりかもめ

ゆりかもめ手紙のやうに浮かびけり

冬籠り

失語して記憶の中に冬籠る

クリスマス

クリスマス聖者はウェブを漂流すクリスマス父を演じてゐたりけり

天皇誕生日

無蓋車の走る天皇誕生日

ポインセチア

ポインセチアひと遠くゐる窓明かりポインセチア烈しく生きよ堕落せよ

枯野

枯野より枯野を剥がす軍手かな

冬の蝶

銀紙を折れば飛び翔つ冬の蝶

冬の午後

ひだまりが猫抱いてゐる冬の午後

冬桜

狼の絶えたる国の冬桜

冬の朝

鉛筆をピンと尖らす冬の朝

冬の蝶

冬の蝶揺らめく時空渉りけり

天狼

天狼や無言で終わる神話劇天狼や砂漠移らふ大河あり

レノン忌

しぐるるや人遠くゐる修羅の街レノン忌の日暮れ羽摶くもののあり イマジン忌虚空へ耳を澄ましたり 灯の入りしダコタハウスやレノンの忌

寒鴉

街しづかなり寒鴉啼く朝は

鮟鱇鍋

歳月の煮えてゐるなり鮟鱇鍋

ポインセチア

ひと遠く窓辺にポインセチアかな

十二月

雑踏に阿修羅の眼十二月

十二月

十二月風は水面を窪ませり 淡墨桜しづかに裸身晒しけり 己からなにかが抜けて冬温し