光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

春のこゑ

春のこゑ赤子の唇に生まれけり ひらがなにひそんでゐたる春のこゑ 再会や記憶に生るる春のこゑ

雛祭る

補陀落の穹より春のこゑ満つる この星の涯に子のゐて雛祭る

草餅

草餅に目のないひとと並びけり 日時計の二時を確かめ蓬餅 草餅やこの世とかの世重なれり

青き踏む

たたら踏むやうに山河の青き踏む

無印句会

転がってウロボスの蛇穴を出づ 身の壷に堕ちる道あり雲に鳥 そして又海市を過ぎる人のあり 蒼き馬彳んでゐて二月尽

春の虹

再会や記憶の襞に春の虹 暮れかかる二月渚にある時間

ミモザ

ミモザの日ベネチアグラスに青き水 百人のゴッホの寝息ミモザ咲く

春のこゑ

暮れかかる柿の木坂に春のこゑ

二月

頬撫ぜる風に母ゐる二月かな きさらぎの渚に拾ふノイズかな きさらぎの虚空の跨ぐ分水嶺

黄水仙

黄水仙葛西に大き観覧車 対岸はシンデレラ城ミモザ咲く そして又海市を過ぎる人の列

「河」江戸川勉強会

雪折れの瑞々しきが晴れわたる/美智子 白鳥の脇の下より暮れそむる/美智子 春風の重い扉を押しにけり/光声 ホップ・ステップ・ジャンプで越ゆる春の泥/光声 花冷や魚の頭を切り落す/恵美子 霾や日本海とは呼ばぬ国/恵美子 バレンタインデーコーヒー淹…

春のこゑ

福耳のひとつが春のこゑ捉ふ ひとりひとり頭蓋に春のこゑ満ちる 透明な時間が熟し春のこゑ

バレンタインデー

迷宮が口開けバレンタインの日 寂しさやバレンタインデーの地下のBAR バレンタインデー海鼠のやうに淋しかり

建国記念日

しづかなる建国の日の雪であり 建国の日に孤独なる天子かな 建国日悲しむ魂のこゑばかり 日本語をつかううれしさ建国日 水平線曲つてゐたる建国日

春の顔

金平糖八面六臂に春の顔 春風が重い扉を押しにけり

ミモザ

編みあげた命ほどけり雲に鳥 ミモザ咲き髪かすめたる死の蠱惑

渡れぬ橋

(姪和江 急逝) 不在なる神弾劾す二月かな たましひは今どのあたり雲に鳥 きさらぎの渡れぬ橋が空にあり

白梅

白梅や一生懸命生きてみる 春立つや卓の果物語りだす

立春

春立つやルビンの壷に深き水

早春

早春の岩盤浴の懈怠かな 早春のケロリン桶の湯屋にゐる

墨田句会 吟行(神田明神・妻恋神社・神田天神)

風信子水やはらかく匂ひけり きさらぎの光の粒子浴びにけり 半地下のカレー屋にゐる雪女郎 青春の吊るされてゐる二月かな 往還の辻の明るき冬木の芽 暮れ泥む時代であるか梅真白 願ひごと重なり合うて梅枝垂る タクラマカン砂漠に塩湖冬の月 バレンタインデ…