豊満さなけれどぽんぽんだりあ咲く
波音は宇宙のリズム明易し
椅子ふたつ沖を見てゐるバルコニー
蟻の列大河となりて消えゆけり
八階に炎暑居座る佐内坂
ソーダ水この世多次元方程式
永遠へ時間(とき)引き延ばす夕焼かな
酔ひさめて泣きだす夜の花氷
炎天や白い一団影探す
炎天のやたらにうまいチンドン屋
マリーナに聴くボサノバや夏の星
星空に発ち暁闇に立つ雪渓
ひまはり畑歩み去りゆく孤影かな
獣性の香水夜間飛行せり
止り木にダイキリとゐる驟雨かな
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