光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

アマリリス

この星の空ひとつなりアマリリス 故郷の少女ほたるを知らず老ゆ

男の句会

席題「図」 虫干しの古地図の隅に夕霧楼 教室の金魚図太く生きてをり吊るさるる未来ありけり金魚玉 りんりんと向日葵は照り葬の路

紫陽花

紫陽花や心の色の現わるる アジサイの海の深さに溺れけり

「河」青樹会 

孑孑や未来の底にぶら下がる たましひの螢遍路といふがあり スロージャズ弾くやうに触る新樹かな Fukushimaと切り刻みゐる夕立かな その闇をさ迷ひをれる蛍かな

炎天

炎天やべこべこペットボトル鳴るフクシマの闇さ迷へる蛍かな依代のほうたる水の方へ来よ

浮いてこい

浮いてこい海底駆けるこゑのあり

雲の峰

職業は角川春樹雲の峰夏至の夜を臍にピアスのヴィーナス来

虫干し

初恋のひとも虫干ししてゐたり

驟雨

ダイキリや革命都市へ驟雨来る フロリディータにダイキリとゐる驟雨かな 止り木に老人のゐる驟雨かな

金魚玉

歪みたる未来の底や金魚玉

父の日

父の日の正しい距離が揺らぎけり 父の日の足跡のあるアスファルト 不発弾抱え父の日老ゆるなり言挙げぬ人も虫干ししてゐたり

蛍の火

海亀の目に怖ろしき蛍の火花へちま谷中へ雨の来たりけり はんざきや吐く月光の泡ひとつ

「河」江戸川勉強会

東京暮色フローズン・ダイキリとゐる/草 麦笛に空はばかばかしく広い/美智子 グッピーが夜中の虹をかけにくる/ちえ 梔子や時には濁るため眠る/みどり 王手かけ甚平の衿正しけり/位和子 落し文一語足りないパスワード/健治 夏野いく少年の刑父殺し/元嘉 時の…

野茨

野茨の棘にたましひ刺されけり

緑陰

今週のお題「ゲームと私」緑陰に孤独をチェスで玩ぶ

はちまん句会

兼題「フクシマ忌・雪渓・花へちま・青嵐」 望郷の渉る銀河やフクシマ忌 風百夜メルトダウンのこゑのあり フクシマ忌淋しき春でありにけり 雪渓や秘色の湖にあるひかり ささやかな神ゐて糸瓜咲かせをり 花へちま谷中へ赤き朝が来る 逆光の中の灯台青嵐 孤心…

震災より三ヶ月

死の重さ較べてゐたり震災忌言挙げぬ人よフクシマ祀らむかフクシマの翳伸び空にある未来

梅雨晴間

言の葉の連なりゆかし梅雨晴間

合歓の花

過去を消す言葉探せり合歓の花路地裏の花いちもんめ合歓の花

雨に歩けば

今週のお題「雨の日の楽しみ方」青梅雨の夜がピアノを弾きにけり 紫陽花や数多面影宿しゐる 花へちま谷中へ雨の来たりけり

青梅雨

青梅雨やひかりあつめる鉄路あり 青梅雨のひと吐き出さる駅の口

フクシマ忌名もなき人の咆哮す 山河慟哭もはやフクシマかも知れぬ 薔薇園に平和散乱してゐたり

六月

六月や銀の驟雨に眼を閉ざす

梅雨晴間

光る乳飲んでゐたるや梅雨晴間 葉脈で首吊ってゐる蝸牛 雨垂れの音聞くやうにでで虫来

新宿御苑吟行

ほととぎすもはやフクシマかも知れぬ 摩天楼の中に紛れて蟻の塔 薔薇園に平和散乱してゐたり プレイガール・プレイボーイゐて薔薇の園 ドア押してゆくあてのなし梅雨晴間 スカートの中の劇場フクシマ忌 緑陰の毒吐く詩語の転がれり