光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

詩の水脈

鴛鴦の水脈涸れずあり詩の器 悲しみは拳のかたち通夜寒波 街騒を消してやさしき寒の月 古書街の十一月の日の匂ひ 書架に差す冬日に眠る罪と罰 睥睨す皇帝ダリアなら許す 冬三日月黙しがちなる一行詩

冬銀河

報はれぬ生き方もあり冬山椒 あたたかや妻を名前で呼んでみる 冬銀河こぼれて巨鯨美しきかな 襟立てしコートの歌人絶叫す 虚空より手紙のような初雪来

詩のつばさ

あかつきの闇に拾ひし月の殻 幾星霜生き延びてきて草の花 花野から荒地へ向かふ母若し むきだしのたましひとなる夕花野 黄落のひかりに溺れてしまひけり 詩のつばさ持ちて渉らむ銀河かな 重力波たゆたふ銀河より銀河