光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

葉桜

花は葉に性別欄に打つレ点

麦秋

麦秋やひとは光りのなかにゐる

青梅雨

青梅雨や人生の午後見てゐたり

青葉風

韻律に身を任せをり青葉風

新樹光

今年また生きよ生きよと新樹光

金魚

路地裏のブリキバケツに棲む金魚

朴の花

あふれさすいのちの嵩や朴の花

はんざき

存(ながら)へて大はんざきの吐息かな

聖五月

頬撫づる風に詩ある聖五月

太古の夜連れ来し蛍掬ひけり

麦の秋

言霊の満ちる青空麦の秋

麦の秋

翻車魚の雲ゆく碧や麦の秋

青葉

老木も青葉若葉に鼓動せり

花は葉に

花は葉に分かり合へない人ばかり

母の日

漢あり母の日の空眺めける お喋りな五月の薔薇の風なりし

卯波

真砂女の声残る路地裏卯波立つ

夏めく

駅ナカの日暮のカフェの夏めける

葉桜

葉桜や翔びたちしもの影残す

中央支部出句

こゑといふはるかなる波五月来る「どん底」の地下より洩るるメーデー歌閊へつつ挽歌うたはば修司の忌

子供の日

子供の日思索の糸を垂らしけり 天球儀にブラックホール子供の日 子供の日上手に老ゆること思ふ

修司忌

修司忌の五月の海を買ふつもり

憲法記念の日

戦争がしたいか 憲法記念の日

河 五月号掲載作品

錆びたる斧 身の洞に錆びたる斧と薄氷 陰神の亀裂に春の無精卵 春暁や声なきもののこゑあまた 蜂起など出来ぬ地虫ら穴を出づ 群れゐても孤独は孤独鳥帰る 不意に師の視線と出遇ふ春の暮 西行の日や乱吹くべし一行詩

五月一日

*五月一日は我が誕生日なれば 革命の五月一日ラッパ鳴る たそがれに触れ消えゆくやメーデー歌 我生れし日こそ母の日風光る 令しき和の風の五月来る