タナトスの匂ひの夜へ恋の猫
春オリオン円転したる海の上
春運ぶ子猫が指名手配中
若冲の白象歩む朧かな
遠野火の咆哮走る日暮れかな
春愁やローランサンのパステル画
星空に星なきところ犬ふぐり
鳥帰る万の畸形を孕みゐて
春満月眠りしものの上にあり
ボロ舟に帆をかける日や春の虹
鷹の眼に澄みゆく山河ありにけり
凍裂の木魂の走る大地かな
いまだ踏まぬ雪の向かうに雪の壁
大海へ永久を流さむ冬北斗
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