きさらぎの光雫のなか帰る
糺すでもなく赦すでもなく亀鳴けり
遺言の紙切れ飛ばす春一番 虚空より手紙のやうな春の雪 うぶすなに遊ぶ兜太と雀の子 叛逆の一字残して卒業す
ひりひりと死の草むらに初蝶来
縄文の土偶に土筆投げ込めり
さぼうるのいつもの席に春ショール
陽を孕む仔猫と眠る日なりけり
猫が聴く夫婦の会話夜半の春
春愁や挿し込む鍵の廻らざる
啓蟄の乗換駅でまごまごす
下駄鳴らしゆくポストまで春の月
きさらぎの光の粒子ふりにけり
やっと移行が完了。 手のひらのわこといふ珠風光る
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