三月を揺らしあまたの忌日去る
花風の坩堝に溺れたき真昼
ひりひりと孤独なりけり雲に鳥
無理解の只中にゐて松の芯
かくありたしと思ふ詩歌や春の雪
とつておきのジャムとスコーン囀れり
囀りや旋律美しき無名の死
卒業や倚りかからずに生きてみよ
もの言へぬ三月十一日の朝 フクシマや踏絵のタンク林立す 幾万の仮設の家の朧なり
囀りの鋭くなつてゆく祖国
糺すでも赦すでもなく亀鳴けり
泥酔し男雛を泣かす女雛かな
ラムネビン色の三月来たりけり
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