光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

炎昼

炎昼の死を靴下に詰めてゐる

向日葵

万歳と叫び向日葵倒れけり 向日葵の駅より少女吐きださる 向日葵や焦げた匂ひの海鳴りす

無印句会

火の色の蝉の時雨となりにけり 青春の落款捺され夜光虫 祭りあと街の眩暈を拾ひけり 流星を己が額に受けとめり 星月夜沙漠移ろふ大河あり 八月の海から帰還する少女 万歳と云うて向日葵枯れにけり

籐椅子

籐椅子を離るるときは孤独なり(たぢから句会) 健次忌の青春無頼演じをり 颱風の子の孵化しだす珊瑚礁 蝉鳴かぬままに晩夏となりにけり 天国行き方舟探す放屁虫

存在の家

存在の家とは何か雁のこゑ

晩夏

蝉鳴かぬままに晩夏となりにけり原発は白の墓標や晩夏光

夏怒涛

血脈の記憶癒すや夏怒涛 眼瞑れば磯打つ夏の波の音

晩夏

ひとはみな淋しきままに晩夏光 月光に樫そよぎゐる晩夏かな

トマト

トマト熟れ関東平野熟寝せり

緑陰

緑陰に裸体の私息付きぬ 緑陰を出てまた付ける仮面かな

夏満月(なでしこジャパン優勝)

熱狂や夏満月とゐる孤独

河 

フクシマの晩夏のこゑの白光す ダイキリやラ・フロディータに驟雨来る「角川春樹主宰作品」 ざぶざぶと昼が朽ちゆく長崎忌 精霊舟おのが銀河を目差しけり しんしんと飢ゑあり八月十五日 敗戦日無数の耳が落ちてゐる 八月の海にいのちの帆を上げよ 人間とは何…

西瓜

西瓜提げ黄泉平坂来たりけり

夏の月

背伸びして触れなむ夏の望の月 *夏満月真実此処に生きてあり 涼しさのかたまり確と空にあり *涼しさは寂しさともいふ夏の月 淋しさを譬ふるならば夏の月

巴里祭

ア・カペラの合唱流るる巴里祭 喧騒やどこへもいかず巴里祭 巴里祭太虚蠢く飢餓の国

金魚

生きて死ぬ金魚も吾も美しき

涼し

涼しさのかたまりぬつと現れり

春樹賞

七夕の春樹賞なり魂消るる

雲の峰

卒哭忌過ぎてふるさと雲の峰 海底にこゑの犇めく海開き 沈黙の沖に向かゐて月見草

一行詩未完のままに瀧となる

七夕

プツカリと浮く七夕の地球かな

銀河

恐竜のみてゐる昼の銀河かなひと遊びしてから渉る銀河かな

草笛

草笛や置き去りにする幾山河

驟雨

万緑やうすき血をもつヒトの耳 向日葵や白い戦争起きました 止り木にダイキリとゐる驟雨かな

身の壺に飢餓の蛍を飼ひにけり ほうたるや真水の部分見えてくる 昨日今日明日も点るや蛍の火

七月

緑陰を出てまた付ける仮面かな 七月の光貫く頭蓋かな 根元から水音のある菖蒲かな