光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月尽

避難所の墓まで続く曼珠沙華 一匹となり秋蛍乗る夜汽車羅針盤すべて過去さし八月尽

石榴

不可思議の詰まる石榴の暮れにけり

放屁虫

大嫌ひなんて云ふなよ放屁虫

空蝉

空蝉にまだ残りたるみどりの夜

烏瓜

烏瓜連なり湖にある孤舟

夜光虫

(ヨダとは三陸地方では津波のこと) ヨダの来し地にゴドー待つ晩夏かな白き時間汀に流れ夜光虫

「河」江戸川勉強会

涼新た静かに泣いて午後の椅子 我は誰鏡の国の曼珠沙華 ヒロシマや主語なき碑文ゆらぎをり 不発弾抱へ中上健次の忌 新涼や椰子の実落ちる石畳

曼珠沙華

貴種流離したる巷や曼珠沙華

終戦の日

終戦の日に捕まえし銀ヤンマ

新涼

新涼や碧り切なき枯木灘 新涼やレース・グラスのタブレット 新涼や滝音つづく音の中

八月

八月の海より帰還する少女 八月や折鶴の黙降り積もる カタカナの都市に八月嗚咽せり

秋来る

も一つの世より無垢なる秋来たり

秋立

秋立つや青の時代の水汲めり

立秋

クシコスの郵便馬車や秋立てり群青の夢を残せし蝉の殻

河 

火の色の蝉の時雨となりにけり 敗戦の火の孤独なる天子かな ひたひたとおんなも水も夜の秋(角川春樹主宰作品) 生きるとは老いてゆくこと健次の忌 健次の忌健次が遊ぶ昭和の灯 フクシマや静かなる日の静かな死 秋の水縹渺として昏ゆけり 処暑の雨なにを創り…

夜の秋

深くヒト愛す神ゐて夜の秋

螢火

螢火の重さを闇に計りけりぬばたまの闇に螢の燃え尽きぬ

夏帽子

夏帽子確かに笑つてゐたあなた