光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

露草

露草やしづかなる日の母顕てり

曼殊沙華

天界に曼陀羅華この世に曼殊沙華 曼殊沙華の火群に母と見知らぬ子 今ここにゐるのが私まんじゅさげ

摩天楼より音無き喧噪見るや秋

敬老の日

命つてこんなに軽い敬老日

秋思

父の木の葉つぱの火照る秋思かな 満ち足りてどこかが軋む秋思かな

新涼

新涼やオルセー河岸に美の駅舎

赤のまま

正座せし三十路の母や赤のまま

「河」九月号 掲載作品

人のかたち 雲海を凸(つばく)むものの光りけり 天(あま)色(いろ)の空翔けぬけよ夏つばめ 蝉声の沁みる昴の忌なりけり 緑陰を出てまた付ける仮面かな ひぐらしのこゑや戻らぬ日の家族 夕焼けて人のかたちの美しきかな 遠花火すこし遅れて哀しみ来

九月

セプテンバー砂の如くに雲流る