あぢさゐの枯美しく二月尽
薬莢の転がつてゐる春野かな
自転車は空翔けたさう花菜風
再会は雨水の雨の橋の上
対岸へ初蝶渉る日なりけり
あぢさゐの枯美しき二月かな
バレンタインデー両の掌に載る一詩集
文神にまなこのあらば踏絵せよ
ぼろぼろの駝鳥見てゐる建国日
愛告げんために海越ゆ冬の蝶
白梅紅梅分ちて黒き川奔る
きさらぎの冥府の雨に打たれけり
立春のマグマたるべし一行詩
凍蝶の五百の舌が売られけり
きさらぎの名曲喫茶にビートルズ
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