有無を言はさず一月の果てにけり
雪降るや熾火のなかの舌動く
モノクロの絵本に棲みし熊の子は
寒夕焼見ゆる筈なりぽるとがる
水仙や日暮のカフェに死角あり
大寒の水の底なる昭和かな
冬銀河握る拳を弔辞とす
雪女花屋の辻にゐたりけり
風狂の漢が啜る小豆粥
雪降りし夜を数へれば孤独なり
あてもなく二丁目にくる松の内
雪豹や巌聳つ我の胸の底
凍てぬため十七音字の詩詠まむ
江ノ島の海のきらめく三日かな
二日はや十七音の淋しけれ
鶏旦の宇宙を言葉進みけり
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