光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

枯野

枯野には父の木のあり泣きに来る 長兄 卓司 死去怖いと思ふ人ゐなくなり冬の鵙

小春日

小春日や憑神ならばあつち行け

十一月

十一月錆びた錨を上げてみよ

霜夜

霜の通夜きふにあのこと思ひ出す 過去たちのたち騒ぎゐる霜夜かな

「河」11月号 掲載作品

栗名月 ははひとりかなかなかなのなかかへる 小鳥来るここは親族(うから)の眠る村 今ここにゐるのが私まんじゆさげ 露草のしづけさに母顕ちにけり 父来てゐるか 栗名月は河の上 星空保護区残る螢となりゐたり モザイクになりゆく記憶すいつちよん