光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2016-01-01から1年間の記事一覧

逝く年

年逝くや天使の梯子降り来たる

ピラカンサ

ピラカンサ光り記憶のたわわなり

ペチカ

亡骸は記憶の器ペチカ燃ゆ

雪女

酒呑みて連句をしへる雪女

冬帝

冬帝の眼に北溟の孤愁あり

第一句集『聲』

十二月八日 ふらんす堂より 第一句集『聲』を上梓。 ニンゲンの管の突つ立つ原爆忌 革命があかんべしてる浮いてこい 火の色の蟬の時雨となりにけり 日の名残り路地にありけり健次の忌 エンドロール流れ晩夏の固き椅子 ピアニスト立つてジャズ弾く健次の忌 天…

吹雪

君逝きて百日百夜吹雪けり

憂国忌

戦無派のしぐれ駆けくる憂国忌

鴛鴦

をしどりや照る日陰る日支へあふ

時雨

千代田区の一の一にて時雨るるか

冬山椒

報はれぬ生き方もあり冬山椒

蘆の花

人類は遊んで死んで蘆の花

焼栗

コヴェントガーデンに焼栗買うて聞く訛

水澄む

ひそやかに狂気を秘めて水澄めり

秋風

秋風と世界滅ぼす側に佇つ

銀河

方舟を漕いで銀河の神に会ふ

天の川

流れ行く時間の束や天の川

野分

観音も修羅も佇ゐし野分かな

鈴虫

鈴虫のその一匹は音楽師

八月尽

非常ベル鳴りて瑞穂の八月尽

鉦叩

過去よりも今が愛ほし鉦叩

処暑

爆心地三つある国処暑の雨

底紅

底紅やまいにち咲いて転生す

なめくぢり

なめくぢり過去の痛みを曳航す

八月

八月の水の記憶と熱き黙

八月

八月の蟻ひたすらに進軍す

不知火

流され王のために不知火燃ゆるかな

海の日

海の日の光の椅子にちちとはは

遠雷

遠雷や心なき風通りすぐ

羽蟻

夜の羽蟻先住民は決起せよ