光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

第一句集『聲』

十二月八日 ふらんす堂より 第一句集『聲』を上梓。 

  ニンゲンの管の突つ立つ原爆忌
  革命があかんべしてる浮いてこい
  火の色の蟬の時雨となりにけり
  日の名残り路地にありけり健次の忌
  エンドロール流れ晩夏の固き椅子
  ピアニスト立つてジャズ弾く健次の忌
  天にこゑ泰山木のひらきけり
  雁月夜いのちふたつの過りけり
  みづうみの空に水尾あり雁のこゑ
  藤の実や日の当たりたる母の部屋
  ひよんの実の穴より無灯艦隊来
  弥彦嶺に遠くしづみぬ冬オリオン