2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧
冬の涯あつけらかんと別れけり
春まぢか回転扉ひるがへる
まんさくはまだ眠さうに風の中
冬木立抜けて諍ひ消えにけり
冬晴れの孤独を首に巻き付けり
白亜紀の石の記憶に海鼠かな
天狼や時代切り裂く詩語が欲し
葉牡丹や渦巻いてゐる銀河系
藁囲いごとの光りや冬牡丹
冬の空翼光らせ走るもの
薄氷を掬ふ子らありチャイム鳴る
雀らの屋根より雪の落ちにけり
初句座を終へて孤独へ戻りけり
成人の日の遠くなる海景(けしき)かな
目をつむり彼の人と会ふ日向ぼこ
ひと恋ふる色か日暮れの石路の花
寒晴や細胞ひとつづつ孵る
はればれと枯れてゐるなり大柳
見てきたやうな嘘が大好き海鼠噛む海鼠噛み手のひらにみる我が未来
空青く花柊のこぼす黙
仰ぎ望む一行詩たれ寒椿
水の星包みて薄き鶴の空
千年後考えてゐて五日かな
迷宮の扉開かる三日かな
蛇口から白い小鳥の出る二日
初日待つ海くろぐろと迫りけり