光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

真青な空吹き上ぐる桜かな 真先に海せり上がる花夕焼 さよならだけが人生だなんて花

飛花落花

贅沢に春を捨てゆく地球かな 浮御堂贅沢に春捨ててゆく ひと縷々と桜並木となりゆけり 飛花落花十七音字の画布の上 十七音紡ぎ吉野の落花かな 行く春のはなびら色に染まりけり

桜蘂降る

桜蘂降る中に鳴る4ビート 水の声鳥の声ある桜かな 摩天楼より血の滲みたる桜かな ちちははの血の滲みたる桜かな 血脈のとくとくとくと糸桜

行く春

摩天楼の底から拾ふ花一片 一片の花弁掴めば春逝けり 行く春の孤独際立つ歌舞伎町

御嶽〜沢乃井

花冷えの快速電車迷ひけり 桜大樹水声鳥語宿しをり 玉堂のすずしき絵画鳥帰る 花時雨吊り橋少しだけ揺らす 囀りや沢音高く低くあり 鐘の音に乗りひとひらの山桜 対岸は霞桜に暮れにけり たましひの故郷さくら満ちにけり 一本の標の桜春逝けり

花夕焼け

飛花落花猫背で歩く石畳 さんざめき語らふ花の輪舞かな 花夕焼時間が渦を巻きにけり

夜桜

たましひの母胎を出ずる桜の夜 鬼の棲む深き闇ある桜かな 天狗ども舞い降り踊る花の下

かすみ桜

潮見坂霞桜に暮れにけり 枝垂れ桜ゆれて地軸と同化せり 敷島の母なるものに桜かな

ひとひらの桜酒盃に浮かびけり 桜月夜コノハナサクヤ舞ひにけり 一本の桜聖樹となり咲けり

さくら

花夕焼愛憎地下に充満す たれも持つ暗渠に春の雨降れり 玉の緒のつなぐ桜のしだれけり

雲に鳥

雲に鳥孤にして火なり一行詩 神の手の未完の美しき栄螺かな いのちの緒つなぎて桜しだれけりみずのごとさくらしだれてゐたりけり/堀本裕樹

持ち歩く暗渠に落花ありにけり 岩に坐し昨夜の桜をみてゐたり 哲学の道にニーチェと桜かな

花の下

ひと誰も暗渠に花の波の音 赤き下着売られてゐるや花の下 長閑しや棘抜いて買ふ赤パンツ 春時雨身ぬちの暗渠満たしけり

飛鳥山界隈吟行

光る風ジーンズに疵付けてをり ひと縷々と花のトンネル通りけり 摩天楼の渇く真昼の花見かな 社長付き辞令を貰ふ四月馬鹿 格子より猫の子覗きゐたりけり 春宵の座椅子に転げ浅田飴