光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

四月尽

蒼穹の深きに五月来てゐたり ポテトチップ塩よく効いて四月尽

昭和の日

昭和の日氷結したる詩語のあり昭和の日止り木にゐる無愛想目瞑れば光の闇や昭和の日

新樹光

手を握る君まうゐない新樹光

黒揚羽

ひと悼むやうに翔ちけり黒揚羽

若葉風

血管を酸素が走る若葉風

花水木

悼 木本玲子さん おならして生きる勇気やいぬふぐり 玲子あれば 気がつけば穹はアメリカ花水木 フィレンツエの文房具屋さん風光る

春驟雨

春驟雨タイヤの音の美しきかな

逝く春

逝く春や手にヨハネ伝第二章

花の沖

けふといふ日の暮れてゐる花の沖

初蛙

初蛙日本語表記に戸惑ひぬ

堅香子の花

堅香子の花は此の世を静かにす

永き日

永き日の水に映らぬ影法師

桜しべ

桜蕊降り参道を濡らしけり

春銀河

春銀河眺め生き方修正す

花の師系

人縷々と花の師系を辿りけり

戸隠吟行

かみのこゑみごもるやうに木の根開く戸隠の霊気ゆゑなる雪の綺羅助手席に凭れ信濃の春よぎる信濃路や美しかりき花の雨戸隠古道雪解雫の音明り日輪を攫ひてゆけり花菜風花冷えの真昼の句座に浸りけり

入学子

入学子未完の海図広げたり

心から心へ花の散りにけり

花冷え

花冷の神楽坂より黒マント花冷や海峡よぎる核空母

春の闇

ワタクシを遡つてみる春の闇

「河」4月号

「春のこゑ」 冬の雁光りのこゑを残しけり 大歳の無音を満たす詩の器 スノードーム過去の時間に雪降らせ 冴ゆる夜の笛に乗りたる月日かな 葉牡丹や渦巻いてゐる銀河系 「白い戦場」閉ぢて身裡に春のこゑ

四月

メビウスの輪の鍵盤を踏み四月神ひとり春の雨音聴きゐたり

万愚節

フェア・プレイ見せかけだけの万愚節四月馬鹿未来は過去より大きかり