光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ダリア

ダリア剪り無窮の時空越ゆるかな

六月

六月の海蒼すぎる箱の中

四葩

四葩から四葩へ遊ぶ一日かな

太宰忌

太宰忌や帰らぬ猫を待つてゐる

梅雨晴れ間

真直ぐに行く道のあり梅雨晴れ間

額の花

天上の黙の色なり額の花

ジューン・ブライド

ジューン・ブライドつぶやけばものがなし

鎌倉吟行

あぢさゐのうしろは海の暮れてをり ばらのあめとはのゆめみしゑひもせず 六月の海寂寥の水脈曳けり鎌倉といふ時空より黒揚羽 鎌倉に息ひそめ棲む青蜥蜴 切通しいつも雨なり沙羅の花 すぐそこに梅雨の海鳴り匂ふかな 十薬や詩は垂直の声ならむ

青梅雨

老人が青梅雨の中来たりけり

時の日

時の日の不在を告げるベル鳴りぬ

蟻が一匹運動会の昼休み

捨てられぬ角帽の黴拭きにけり

薔薇浄土

孤独まで二万光年薔薇浄土テムズ見て午後ひとりなる薔薇浄土

夕焼け

夕焼けに抱かれ一日過ぎゆけり

六月

六月の都市きらきらと膨張す

うすもの

うすもののひととゆめみしゑひもせず

薔薇しぐれ

無情とも有情とも街薔薇しぐれ

青葉若葉

武蔵野の青葉若葉の一日かな

ゲバ棒も天秤棒もまだ黴ず

ボロ舟に帆をかける日や虹の立つ