光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月憂し

人が人と別れる五月少し憂し

夕焼

夕焼やひとりひとりに黙の海

白詰草

捨てられぬ白詰草の指輪かな

薔薇

走ることジュラ紀の薔薇は夢見たり

伊那吟行 その2

木々の香を乗せ青葉風若葉風何虚やらに井月のこゑ麦の秋山頭火句碑の向かうに糸蜻蛉白詰草の世界侵され淋しかり伊那谷の風に五月の自由律

伊那吟行

孤独とは青葉若葉の旅にあり井月の生きた風土に青田吹く名前など知らぬ夏草茂りけり好き放題言へる仲なり姫女苑風狂の才などあらずえごの花

少年の後ろの闇の祭かな

穴子

淋しくて釣られてみたる穴子かな

母の日

母の日の地球(ほし)の波動に身を託すもう一度母に逢ひたしあやめ草

薔薇

骨接ぎの入口闌ける薔薇の門

薔薇

薔薇の野に兜太の後ろ姿かな

つつじ

つつじ山抜け花嫁の父来たり

聖五月

泣き止まぬ子のゐる車内聖五月

薔薇の雨

極上の孤独に浸り薔薇の雨

河誌 五月号掲載

風に鳴る笛囀りや兜太平和な朝に死す人間は風に鳴る笛雲に鳥金縷梅やジャングルジムによく泣く子もの言へぬ三月十一日の朝霾るや動く歩道の不眠都市セザンヌ的農夫哲郎遠雪嶺囀りや人は言葉でさぐりあふ