光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

墨田吟行句会

ぬめぬめと黒し二月の放水路 靴底に孤独の満ちる春の雨 霞たる幻影城のスカイツリー 聖天の二股大根春の雨 テレビ塔まで一本の道日脚伸ぶ 菜の花や幼稚園からモダンジャズ

春の雨

セメントの匂ふ街なり春の雨 春雨の時間の中に這ひゐれり 燈を灯し電車過ぎゆく春の雨

青樹会

福島 勲主宰 作品 砂山に砦のごとく若布干す 歳月の翳りの見ゆるめかり時 春の夜やしづかに崩えて砂の城 涅槃図の余白に鳥語生れけり 紅梅に雪霏々とあり義仲忌出句作品 孤独落つ二月荒川放水路 春の虹船は翼を持ちにけり 初蝶の少女のやうに止まりけり 水の…

二月尽

摩天楼の狭間二月の空光る 無能(すかたん)の孤独二月の放水路 青き月見て坂上る二月尽

雲に鳥

現実が句読点打ち雲に鳥 被さるる太古のマスク雲に鳥 愛よりも高貴なものよ鳥雲に

たぢから句会

海匂ふ地峡の町のつばくらめ 踏み迷ふ書物の森や日脚伸ぶ(高度成長時代の新興住宅地の今) 雛壇の街の寂しき雛の日 団塊の住む街寂し雛の日 陽炎や背信の都市眠りをり

春塵

蝶々のあいも変らず飛びにけり 羅馬字のⅣが吊るさる二月かな 春塵や時の刻印かもしれぬ

二月

こぼし落つ二月荒川放水路 海匂ふ地峡の町のつばくらめ 耳鳴りの乾ききつたる二月かな

初蝶

日脚伸ぶ路地に聞ゆる花いちもんめ 初蝶の美しき寂寞零しけり 春の雨孤独の坐る青き椅子

蒸鰈

座り心地よき止り木や蒸鰈 存在の端に目の澄む蒸鰈 俎に同化してをり蒸鰈

春の海

青鴉春の入日を食ゐにけり 春の虹船は翼を持ちにけり 春の海ON・OFF・ON・OFF一日かな

春雷

如月の石に躓く漢かな 磁場となる荻窪二月詩の翔てり 春雷や地球傾むく飢餓の夜

はちまん句会

角川春樹主宰作品 はうれん草孤独な日々を紡ぎゐる 潮騒の膨らんでくる菜の花忌 しんしんと海に雪降る寒明忌 神々の夕映えさびし建国日 もて余すいのちに日脚伸びにけり ゆふぐれの静かな雨や菠薐草 建国日われら狩られてゐたりけり 日脚伸ぶ薄暑の街が蹤い…

紙風船

春の雨坐る人なき青き椅子 持ち歩く紙風船の秘密かな 紙風船過去持ち歩くひとふたり

春の霜

無縁死の四島に溢れ春の霜 地下室に冬のナイフが眠りけり 暮れ泥む時代であるか梅真白

建国記念の日

贋物の星の煌く建国日 建国日誰もが緊く縛られゐ 読み止しの書をまた開く建国日 虫殺す無垢の少年建国日 蒼天に告天子は撃たれ建国日

建国日

陽水の唄に浸りし建国日 おおらかに死を語りゐる建国日 葬送の鐘聞きたるや建国日 建国日透き徹りゐる黙の海 ラジオからジャズ溢れ出る建国日 ぼろぼろの駝鳥みてゐる建国日 鄙ぶりの唄ふさわしや建国日 粉塵の中磁力満つ建国日

はうれん草

二の腕の血管青く菠薐草 はうれん草跨ぎ野良猫去りにけり ほうれん草火色と呼ばる時間あり

日脚伸ぶ

英雄の死せるページに日脚伸ぶ 閑かなる詩集に付箋日脚伸ぶ 日脚伸ぶ修司と健次ゐる酒場

春風

春風に泣くや十五の青き性 水瓶座魚座孕める二月かな 春愁の緋の色硝子歪みけり

二月

試写室の二月の椅子に待ちにけり ガーゴイル二月の雨を吐きにけり 矢車がからから鳴って二月来る