光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆく春

ゆく春や時の花束贈らるる ゆく春や一番遠き星欲りぬ春行くや揺るぎなき詩のわがクレド

花は葉に

見ゆるもの全て過去なり花は葉にもの云わぬまま日暮れけり磯遊び 春塵やまた朝が来る錦糸町

たぢから句会  席題「清」

清濁を併せ呑めずに亀鳴かす 校門の清き一票囀れる

夜の桜

いちまいの闇裏返す花女郎 花女郎暗渠抱へるひととゐるたましひの犇めく夜の桜かな

花女郎

しらたまの花女郎添ふ宴かな 花女郎虚ろなるもの纏ひけり身の鈴を鳴らし来るや花女郎

さくら

桜咲く園に天よりいのちの緒 大和いま悲しみ色の桜かな幾億の夜を閉じ込めし桜かな

白詰草

幸せを隠しシロツメクサ光る幸せを隠す シロツメクサ光る

蜜蜂

春暁やむらさき色の香りたつ むらさきの色にみつばちたち集ふ蜜蜂の遊べり深い空の底

吉野山

吉野山しづかに登る花女郎 星のこゑ花のこゑ降る吉野かな星の声降り積む深山花しぐれ

リラの花

リラの花電車ひと駅乗り過ごす 道標なき三叉路の落花かな 生きてゐるノイズありけりさくらの夜

日本

1858年に、日英修好条約のために来日していた英国の使節団の一員で、船艦の艦長だったオズボーンという人が、日本についてこう書いている。「この町でもっとも印象的なのは、男も女も子どもも、みんな幸せで満足そうに見えるということだった。」この国…

暮春光

反世界磯巾着の口にあり 傷ましき腕にリボンと暮春光 逝く春や樹人のこぼす一滴

さくら咲く

今週のお題「桜」震災忌この国信じさくら咲く 存在に嬲られてゐるさくらの夜

花時雨

雨気充ちる桜の径となりにけり 胎内へ続く道あり花時雨 花時雨積木の家に食器音

蓮の実句会 吟行

花韮の幽かに匂ふ小雨かな 雪柳裾触るるまで撓りけり ひと吹きの風に花びら耀けり この国を信じ桜の咲きにけり 地震狂ひ花狂ふ日となりにけり 桜咲き悲しきことを蔽ひけり/清 春昼や夫と語らふカフェテラス/美智子 揺れてゐるそれぞれ風の雪柳/健治 恋猫…

花万朶身の壷にある真暗闇 モーツァルトに涙するひと花時雨花しぐれ火色の時間ありにけり

夕永し

夕永し瓦礫の山に名呼ぶこゑ なにもなき家郷へ帰る暮春かな

 三月十一日は震災忌

三月十日ぼくらはみんな生きてゐた 一報はいま仙台が燃えてゐる 三月十一日此岸は赤く吹雪きけり空白の中の空白震災忌震災忌いつもどこかに朝が来る この星に静けさ根ざす震災忌 三月十一日新しき時貰ひけり 新しき時間に生きる震災忌 飢え渇く青春にゐて震…

暮春

己をば分からぬままに生き暮春 めざむれば己に出逢ふ花時雨ひこばえやいのちといのち共振す

花の岬

たましひの花の岬に集まれり み吉野や己が影曳く花女郎花女郎吉野の闇に燈をともす

四月馬鹿 

地位序列なき今生の桜かな 身の裡に育ちすぎたる桜かな 玉の緒の思ひ乱るる花女郎コンビニにもの溢れをり四月馬鹿 仏陀刺す蜂ゐて淋し真昼かな