光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬銀河

地の果てに佇つや虚空に冬銀河 夕鶴忌 眞弓の実そのひと粒の重さかな風に色なく腕にふつと抱かるる雁やひとみな水の記憶あり夕鶴の翔ちまた還る花野かな源義忌の泰山木は濡れてをり 曼荼羅の森発光す檀の実月光に化石のごとく彳めり火の海も乾きし海も蚯蚓鳴…

冬日

『罪と罰』傾れる書架や冬日差す

冬の蝶

冬蝶の翅圧し潰す嫉妬かな

「河」12月号 掲載作品

銀河人 無窮なる銀河人(ぎんがびと)なり師も我も 渉るべき河あり秋の天頂に 菊坂の下の帽子屋小鳥来る 詩歌(うた)を慾るいのちありけり源義忌 シネマ「街の灯」撥ねし荻窪灯涼し むきだしのたましひになる夕花野 身の軋むほど抱かれたし雁月夜