光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋茜

何事も以心伝心秋茜

鳩を吹く

さびしいと言わぬひとゐて鳩を吹く

星月夜

アンクルトリス駅裏にゐる星月夜

銀漢

銀漢や取るに足らない我が齢

星月夜

亡きひとのこゑ遥かなり星月夜

花茗荷

唐突に死が来てゐたり花茗荷

衣被

愚痴を聞くだけの仲なり衣被

燕帰る

つばくらめまだ見ぬ家へ帰りけり

小鳥来る

小鳥来るキッズルームのお八つ時

敬老の日

唯々諾々と敬老の日を過ごしけり

敬老の日

敬老日神に渇いてゐたりけり

柘榴

柘榴酸つぱく少年は反抗期

烏瓜

烏瓜けふも驚異の左巻き

曼珠沙華

百万本咲けば明るし曼珠沙華

露草

露草に露の精ゐる朝かな

九月

凭れあふ孤独が殖ゆる九月かなマンハッタン・グランド・ゼロへ小鳥来る

星河

ひと休みしてより星河渉らむか

花野

そぞろ神けふは花野に遊びけり

蚯蚓鳴く 2

今日はまた誰の忌日ぞ蚯蚓鳴く

蜻蛉

蜻蛉来る道に谷川俊太郎

秋蛍

黄泉の火になりきつてゐる秋螢

冷え

六道の辻が見えくる堂の冷え

河 九月号

「ジャズ冷え」 向日葵や海鳴り遠き無人駅 砂丘行きバスが拾ひし白日傘 峰雲や一行詩とはこころざし アロハ着て黄泉平坂越ゆるかな 補陀落や碧き水脈ある健次の忌 ジャズ冷えの夜は健次が来てゐたり

空蟬

空蟬の眼の澄きつて過去未来

蚯蚓鳴く

けふもまたたれかの忌日蚯蚓鳴く