光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

白椿

対岸のお伽の国よ春の雪 懐かしき路地へのしるべ白椿 囀りや愛し合うものひかり合ふ

春の雪

暖かき言葉が欲しき春の雪 しずけさの中空よりの春の雪 春の雪遥けきものと降り来る

春愁

刻を積む砂時計にもある春愁白鳥の水脈は光りを広げたり 白鳥の水脈の影より日暮れけり

牛蒡蒔く

牛蒡の花言葉「いじめないで」 花言葉繰り返しつつ牛蒡蒔く 不甲斐ない漢背を向け牛蒡蒔く

白鳥

白鳥の水脈黒鳥の過ぎりけり 白鳥の翔る世界はヒトの星 黒鳥の夢解れゆく春の水

墨田句会吟行

「水戸 大塚湖・偕楽園吟行」 白鳥の首に愁ひのありにけり 白鳥の蕾のごとく漂へり 白鳥の翔つとき水面走りけり 黒鳥の真赤な嘴風光る 白鳥の空恋しさに飛び翔てり こみ合つてゐて白鳥の静かなり 長き水脈短き水脈に春の風手の届く対岸の梅愛でにけり 梅二月…

枝振りを褒められてゐる門の梅 手の届く隣の梅を愛でにけり 枝垂梅より降りて来し無垢なもの

春江

月山は臥した母牛田水張る しやぼん玉黒田杏子はいけずかも春江の浚渫船から歌謡曲

春の水

表側ばかり見らるる春の水 春水に泪一滴落としけり 春の水このヒトの星膨らます

遅日

美食家のコンビニ弁当遅日かな 遅き日の美食家のゐるコンビニ店暮れおそき校内放送響きけり

河 

出句三句 十字路に小さき春が竦みゐる 紅灯の街に缶蹴る二月かな 地玉子のいちづに熱き春隣角川春樹主宰作品 多喜二忌の夜の静寂に海がある オルガンを鳴らす夕べや西行忌 囀りや千葉拘置所に朝が来る 巣箱かけ真白き午後の回りだす 白魚汁積もらぬ雪の降り…

バレンタインデー

バレンタインデー街にハートが溢れをり ありふれた奇跡が欲しきバレンタインデー 芽柳やランプの白きカフェテラス億匹の蝶の真中に緒形拳

冴え返る

詩の器さびしきときは冴え返る 春潮やフェニキア文字の古代船水割りに昭和の溶ける春の夜

白梅

水神の闇より白梅匂ひけり 此岸みる花野のわれがゐたりけり水子祭る社の闇の梅白し 白梅の闇は水子の棲家なり

冴返る

冴返るランプばかりの喫茶店 荒東風や高等遊民無口なり 期限切れカードに討たる春の闇

春の水

三椏のまだねむさうな日の光り おもてがは撫でる手ばかり春の水 カフェオレと注文してをり柳の芽

虎落笛句会

大須賀乙字の二句一章を忘れた句ばかりなり。冬鯉主宰特選句 子の修羅を他人ごとにみて寒明くる/光声 山裾の村動きだす梅まつり/修月 さからはぬ事もやすらぎ春隣/真沙子 一匙の蜂蜜とろ〜り春浅し/喜久栄 御籤掛埋め尽くされて寒明ける/千生 追い出さる鬼の…

十字路に小さき春が竦みゐる 梅白し亀の背中を蹴ってみる 点描のごとく芽吹けりプラタナス 調律のファの音伸びる春隣 爪垂るるブルドーザーの日向ぼこ

春の息吹

十字路に小さき春が竦みゐる 十字路に立ち竦んでる春がゐる 三叉路のどの道辿り春に逢ふ

如月

如月の貌もつ小石蹴りにけり 三叉路に標を探す春があり 春雷やだあれも居なゐ青き椅子