光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

つつじ

つつじ咲き路傍の石の華やげり 曳き船の水脈の太さやつばくらめ 人声の漏れる躑躅の花の闇

暮春

雑踏にひと待つ駅の暮春かな 円卓をくるりと廻し春逝かす逝く春の権現様に地図買へり

河 墨田句会吟行

(根津神社・六義園他) 春暑し青空といふ星にゐて 文豪の石に雨跡柿若葉 佇めば躑躅の風の透し塀 (ルノワール句会)読み込み(羽・筆・眼鏡・後) 修司忌のペガサス羽を畳みけり 半球の瑕ある碧さ土筆摘む 葉桜や眼鏡の奥の深き黙 亀鳴くや後ろにずれし尾…

たましいの火照る眠りの柳かな 夜の記憶まぶしがらせて桜散る冒険の蝶のゆきたる荒地かな

短歌日和

向き合ふて苺パフェ食べ語らうよ幼きころの母の想いを 春風に攫われゆきし愛帽子川面漂ひ橋下に消ゆ

山吹

山吹やいつか来た道雨が降る わが詩の生るるこの道初蝶来

春暑し

花筏連なり魂乗せてをり 春暑し俎橋を渡りけり行く春のすずらん通りチラシ舞ふ

行く春

行く春の鉄の架橋の響きあり 桜しべ時の渚に降りにけり 紅枝垂れアベル殺しへ誘へり

「河」江戸川勉強会

行く春の鉄の架橋の響きけり/こ ゆつくりと春をとろ火で塩胡椒/ひ 荒東風や試されてまだ親をする/よ ドーナツの穴の中まで春の雲/ひ 逃げ水や願望ひとつ街を発つ/こ 過去のない海へ四月の帆を張りぬ/こ 風光り声は大河に辿り着く/よ 花いばら我が十字架の遥…

花筏

またの世へ堰落ちゆかん花筏 花筏真昼の河に沈みけり 駅前にひと待つ時間夕ざくら

「河」

角川春樹主宰作品 花夕焼ひとを遥かにしてゐたる ゆく春の木曽路は雨となりにけり 花の日のわれのいのちに花が降る 月光の花の棺に眠るべし ゆく春や寄せては返す波の音 ブルースは78回転の暮春かな出句 春の雨坐る人なき青き椅子 初蝶といふあやふさの風…

春銀河

アネモネや昨夜の薄闇残りゐる この星が始発駅なり春銀河 光年の涯へ続くか花の闇

滝桜

半球の瑕ある碧さ土筆摘む 月光の湯浴みしている滝桜 千年の人埋もりて花の闇

春落葉

春落葉清水の走る無人駅 春落葉清水の音の澄みゆけり花夕焼師系訪ねの長き旅

さくら

前後から一樹の桜見てゐたる 過去のない海へ海へと落花かな 夜の桜見慣れぬ貌を見せにけり

桜蘂

桜蘂父情の真中降りきたる 桜蘂降る校門の風の中遅桜日付変更線越ゆる桜蘂降る森閑と絵画館

ふらここ

ふらここを漕いでかの日へ帰りけり ふらここや母の温もり背にあり ふらここや母の唄ゐしわらべ歌 ふらここを降り六十路へと戻りけり

葉桜

沸沸と感謝の言葉遅桜 葉桜に歓喜の微熱残りけり ぶつかつて亀の鼻先花筏

花人

塩効きし言の葉零る花菜漬 花人の渦生れたる橋の上 詩の器求め彷徨ふ花の下

落花

飛花落花東京下町活き活きと アスファルト道路縁取る落花かな亀鳴くや独り水中ウォーキング

尾骶骨

亀鳴くや天皇ももつ尾骶骨 尾骶骨忘れてゐたる仏生会花筏真中の石を避けにけり

さらば虎落笛

振り返る龍太の時代花の雨 一誌終えわたくし雨の朧かな

健次

健次はまだか花冷え坐る青き椅子 青き椅子健次坐れば花冷えすやつと来た健次の笑顔花ぐもり

日うらうら

日うらうら橋の真中を確かむる さくら咲く二丁目角のラブホテル 過去のない海へ帆を張る四月かな

花の雲

屋上に来て花のくも花の雲 壁一面花の幻影アサヒビル 墨堤に遅れてきたる猫の妻

朝桜

過去のない海広ごれり朝桜 赤い紐垂るるベランダ紅枝垂 トポスよりボサノバ漏れる夜の桜

句会付き花見

団子屋の列の後ろの暖かし 初蝶といふ危うさの過ぎりけり 花の雲幼の声の零れくる 待ち合わせ場所に一本八重桜 対岸に初恋の人桜もち 飛翔体の真ん中にをり桜餅 海舟像見つめる空の花万朶 裏道を貫けて墨堤花万朶 花季のエレベーターのゆつくりと ビル窓に花…

柴又吟行

寅さんの眼の中のさくらかな 団子屋の並ぶ参道さくら草 ふふむ飴とろりと溶ける花曇 花冷えの帝釈天を歩みけり 日うらうら川の向かうに左千夫ゐる

万愚節

飛翔体などと済まして桜餅 保証人の判子押します桜餅カラフルな自転車並ぶ万愚節