光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

五月尽

危うきを告げフクシマの五月尽 予告編見てゐて淋し五月尽

梅雨

青梅雨やふつふつ葡萄ジャム煮つる

蝸牛

かたつむり背中の微熱辿りけり

蟻地獄

慎ましき光が欲しき蟻地獄

聖五月

他人の死を盾にしてゐる聖五月 入梅や人待つカフェのしづかなり 幾千の日矢立てられし五月の背

梅雨入り

原子の火鎮めるごとく梅雨に入る 雨垂れの音に懈怠や蝸牛 ダンサーの真赤な靴や梅雨に入る

卯建の街

やや傾ぐ卯建の街の薄暑かな 初夏の己の時間連れ歩く すぐそこに時間を運ぶ蟻の列

「河」江戸川勉強会

真四角な嘘計りゐる麦の秋 死の街を明日の風吹く立夏かな ホームから生家見てゐる麦の秋ファスナーの一筋夏の背を閉ぢる/草子 からすのゑんどう充ち足りて何もせぬ/美智子 黒百合や椅子に萎えたるキャミソール/秀穂 青蜥蝪油のごとくつるみけり/ちえ 鎌倉の…

修司の五月

五月いま修司に適ふ空のあり 修司忌の書くべき余白濡れゐたり 修司忌のさびしき街を泳ぎけり 新宿にジャズ聞き終へて修司の日 ジャズバーに孤独ふたつの修司の日

青空の嘘ついてゐる麦の秋 解のないさびしさ計る金魚かな鬼灯市のお釣で貰ふ孤独かな

かたつむり

蝸牛哀しみばかり背負ゐけり 光陰の蝸牛とぞ思ひけり

髪洗ふ

壊れゆく母抱き母の髪洗ふ

遅桜

生の闇灯してゐたる遅桜

葉桜

葉桜やひとの集まる孤独あり 葉桜や竦む内なる天皇制

母の日

壊れゆく母ゐて母の日と思ふ 親知らず疼いてゐたる母の日よ 母の日もやさしき妻と思ひけり生まれたる日こそ母の日風優し

つばくらめ

ターコイズ・ブルーの星や夏立てり銀河鉄道始発の駅につばくらめ

立夏

欲望の畳まれてゐる新樹かな 流浪する家族に余熱夏立てり不確かな今を生きをり遅桜

子供の日

公園に子の声の無き子供の日 動物園に行きたくなかつた子供の日子供の日ルビンの壷を凝視せり

黄金週間

ゴールデンウィークさて何処へと参らうか 尺取虫の小さき一歩とぞ思ふみどりの日手の届きたる天の奥

憲法記念日

昼酒の効ゐて憲法記念の日

葉桜

都心葉桜君はもうゐないのか

暮春

何もなき家郷へ帰る暮春かな山河はや夏立つ雨となりにけり