光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

「河」九月号 掲載作品

              人のかたち    

雲海を凸(つばく)むものの光りけり

天(あま)色(いろ)の空翔けぬけよ夏つばめ

蝉声の沁みる昴の忌なりけり

緑陰を出てまた付ける仮面かな 

ひぐらしのこゑや戻らぬ日の家族

夕焼けて人のかたちの美しきかな

遠花火すこし遅れて哀しみ来