光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2015-01-01から1年間の記事一覧

八月尽

本牧の夜はジャズ流れ八月尽

不知火

流され王のために不知火燃ゆるかな

不知火

不知火や苦海浄土のいのちあり

夏逝く

街を去る夏の尻尾をふと見たり

終戦日

青空は何も語らず終戦日日本に戦争いろの夕焼かな爆心地三つある国秋津舞ふ

原爆忌

灼きつきし影ヒトとなり歩き出すヒロシマの蒼天に火の蝉時雨大いなる手がヒロシマに置かれけり

極暑

明日・明後日と地震のこゑする極暑かな ???何これ

サングラス

晩年や耀いてゐるサングラス

大暑

銀座ライオン天井高き大暑かな

冷房

名画座に冷房効いてさびしいぜ

七月

七月に鴎外・河童・谷崎忌

打水

言の葉の翳り濃ければ水を打つ

鬼灯市

灯るころ鬼灯市の匂ひかな

河 7月号掲載

白い戦場 雲雀野や母やはらかく御座します 白い戦場たんぽぽ咲かせゐたりけり たんぽぽや白き墓標のはるかなり 夕映えの淡海へかへる上り鮎 昭和の日エイト・ビートのジャズ流る 逝くもののみな言の葉となる暮春

青胡桃

青胡桃神も恋愛したまへり

梅雨入

深大寺なんじやもんじやの梅雨入かな

青胡桃

青胡桃握る拳を弔意とす

青葉風

青葉風ペットボトルにある孤独

緑陰

緑陰に真白き誰の椅子だらう

麦の秋

原子炉の墓標ある国麦の秋

麦畑

ゴッホとピカソ闘つてゐる麦畑

薄暑

銀座ライオン天井たかき薄暑かな

麦秋

ひ・と・りてふ鳥麦秋へ飛び立てり

葉桜

葉桜や卓布の中に光る海

母の日

母の日の雲生まるるを見てゐたり

薔薇

権力の怠惰貪る薔薇の晝

立夏

私であるため一歩出る立夏

五月

やよ五月けふを寺山修司たれ

行く春

行く春や狂女の抱ける花筐

花しぐれ

少年のやうな師とゐて花しぐれ