光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

2018-01-01から1年間の記事一覧

月光

月光を新酒のごとく享けにけり

第六〇回「河」全国大会

源義の「河」の抒情や雁渡る抒情詩の師系に生きて源義の日源義の日身にしむ酒を呷りけり

水草紅葉

水草紅葉流れにもまれゐたりけり

秋の夜

秋の夜のまた読み返す師の句集

秋夕焼

プロペラ少年秋夕焼の中帰る

草の穂

草は穂に休まぬコイン駐車場

長き夜

捨て猫とぬいぐるみ飼ひ夜長し

吾亦紅

吾亦紅日暮れは母の色やどる

小鳥来る

小鳥来る昭和のカフェの固き椅子

十月

十月やポプラ淋しと云うてみよ

秋思

懐かしき街の迷子となる秋思

残る螢

星空保護区残る螢となりゐたる

秋麗

秋麗や水かげらふの文読まむ

秋の雨

マトリョーシカに潜む神あり秋の雨

赤とんぼ

赤とんぼ止まりし指を陽に吸はす

小鳥来る

君眠るしづかな場所に小鳥来る

子規忌

子規の忌や五音七音素数の詩

敬老の日

唯々諾々と敬老の日を過ごしけり

銀河

たゆたふべし銀河 我が死の未来にも

秋思

暁闇にうつつの見えし秋思かな

秋黴雨

錆び付いた肺で息する秋黴雨

一対のふくらむ肺を思ふ秋

羊雲

引き裂かれ四散し羊雲流る

河 9月号掲載句

「ノーブレス・オブリージュ」 青梅雨や書架に傾げる罪と罰不発弾抱へ父の日老ゆるなり夏至の日の鳥語で彫りし森の石 昼と夜が最もアンバランスなれば 精霊の押し寄せてくる夏至白夜少年の後ろの闇の祭かなバーボンと葉巻(シガー)と万年筆(ぺン)と夜の驟雨潔…

セプテンバー

セプテンバー臍にピアスのヴィーナス来

新涼

新涼やデッキで聞きし星の私語

八月尽

群青の空を残して八月尽

稲妻

稲妻は神の射精や田を走る

曼殊沙華

大地より狂気噴きけり曼殊沙華

八月

八月の死者のすきまを泳ぎけり戦争といふバケモノがピアノ弾く