光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

「河」千葉支部  車中吟

のうぜん葛そんな落ち方しなくても/伸子
目つむりて見えてくるもの額の花

とつぱずれてふ青岬猫棲まふ/まさ子
烏賊釣船出を待つしじまありにけり

満ちるほどにごりて一山の四葩/美智子
フジタの白に海と夏空抱擁す

皐月波でんぐり返してのびる/俊
落花生ボックス席に座りをり

快活な胡瓜不機嫌な福神漬/司
便秘する金魚哲学やつてゐる

蝮酒いよよ夜更けの句会かな/裕樹
なんばんをかすめて夏の燕かな

十薬の海への小径雨あがる/奉子
死にながら空を見てゐる鶏魚の子