光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

墨田句会 吟行(大田黒公園・すぎなみ詩歌館)

緋の鯉の闇吐く口でありにけり
蟻の列蟻の時間を運びたる
曇天に豆腐売らるる芙美子の忌
一行詩生む苦しさの溽暑かな
梅雨真中うつむいてゐる碑の夢二
ゆだねたきもの傍にゐて草いきれ
六月の空に沈まぬ観覧車
鉄線花台所より母の声
八月の無口な影となつてをり
麦飯に腥き風生まれけり
水無月のワイングラスに赤き海