光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

聖夜

ゆるされて大きもの知る聖夜かな
鐘の音の波に触れたる聖夜かな

イブの夜の沈んだ町を横切りぬ
死の形態考えてゐる聖夜かな

紅燈の海の凪ぎたる聖夜かな
鉾杉のそびゆる森に聖夜かな

洞穴に人安堵する聖夜かな
しらじらと天に神ゐる聖夜かな

砲声のしばらく止みし聖夜かな
聖夜かな殺し文句を賜りぬ

ライ麦パン咽喉にやさしき聖夜かな
ユニコーンやさしくなりぬ聖夜かな