光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

「河」4月号 掲載作品

      山廬の灯       

混沌と生と死のあり二月来る

くぢら哭く春のさびしき日なりけり

きさらぎの海や細胞分裂音 

探梅や呱呱ゆたかなる村に出づ

きさらぎの雪嶺まぢかく山廬の灯

虚空より花のこゑある西行忌 

はつとして父の木仰ぐ茂吉の忌