光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

三月 の検索結果:

白魚

白魚に未完の時間ありにけり 白魚の色を貰ひて逝きにけり 白魚や進化論とはなんだらう三月十日母生き延びて今の我 死臭ある墨堤にゐて三月十日原罪の透けて白魚ありにけり

2009年 回顧

三月 黄水仙アビーロードに朝が来る 四月 背信の子にセーターを編みにけり 五月 水が手をさし伸べてゐる立夏かな 六月 短夜のマンハッタンは蒼きジャズ 七月 母の水脈追ふ少年に蝉時雨 八月 サマータイム聴く止まり木の晩夏かな 折鶴の黙降り積もり八月尽 九月 ざわめきて夜が来る四万六千日 十月 かなかなや死ぬのはいつも他人ばかり 十一月 白鳥の咽喉美しく暮れゆけり 十二月 天山を越えて淋しき鶴となる

枝垂れ桜

桜咲き寄り道多くなりにけり 幸降らす枝垂れさくらの揺らぎかな 旅立ちの駅に桜の枝垂れたりフランシーヌ巴里に泪す三月尽

辛夷咲く

ボランティア休む川辺に辛夷咲く 香古木懐かしき門新芽吹く火の壁の路地よ三月十日かな

春の闇

三月十日記憶の椅子が燃えてゐる 春の野や清水のはしる無人駅 風光るラピスラズリの山上湖 春愁が涯の駅から乗り来たり かごめかごめ如月の空餓ゑてゐる 春の闇よりジュ・テームとなりにけり

三月十日

「竹の塚界隈吟行・都俳連」春愁や布袋の腹の石光り 蒲公英や洟垂れ小僧の見えぬ路地 寺町の路地裏ばかり木の芽風 寺町の路地は恋猫ばかりなり 恋猫に嫉妬してゐる路地暮らし三月十日火の壁立ちしこともあり 火の壁の路地の腐臭や三月十日

三月

開店のネイルサロンや風光かる 三月や記憶の椅子が揺れてゐる立つ場所の違えば見えぬ朧かな