2009-11-30 十一月 海見ぬ間十一月の逝きにけり 冬夕焼雲の上なる雲のなし かなしみの風切羽の鶴来る 「パタゴニア紀行」 閉ざされし幾千年の時在れば我は対峙すイタリア氷河 乳白に青さ抱きて迫りくるロマンシェ氷河の滝に音無く 迫りくる氷河の端の蒼き滝無音の中に時刻みをり フィヨルドの奥深く行く客船に虹の掛れるパタゴニア台地 白亜紀の住民の如氷河あり青き鼓動の零れてゐたる