光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

闘魚の死 (河八月号掲載作品)

親不知・子不知泣くや卯波の夜

陸離たる空へ泰山木咲(ひら)く

掌を解けばさびしさ残る父の日よ

虚しさに飽きてしまひし闘魚の死

生きたし。時の余白に夏つばめ

まひるがほ少女沖より濡れ来たり

カルチェラタンに喪の六月をまた老ゆる