光声の徒然日記

十七音で日々を徒然なるままに記す

「河」六月号 掲載句

  坩堝

雲流る途方に暮れし蜷の道 

春燈のきのふに遠き家族かな

わが詩の師系に花のこゑのあり

花風の坩堝に溺れたき真昼

天も地もなし桜吹雪の真中にゐ 

ひりひりと孤独ぞ桜しべ降る夜

帰りなんいざ十四の春へ啄木忌